2012年4月29日日曜日

ビジネスに活用するゲーム理論(全4回)4 公平な分け方を考える | 目からうろこ!BKゼミ | ビジネス香川


ゲーム理論は、何かを公平に分配する際にも有効です。最も単純な例は、1つのケーキを2人の子供に公平に分けるにはどうすれば良いかという問題です。子供は少なくともケーキの2分の1を貰えば満足するとすれば、ケーキ全体の価値を10とすると5以上で良い事になります。ケーキを2つに分けたとき、1つが6の価値があればもう1つは4になります。この6だとか4というのは、分けられたケーキ片を見て、子供が主観的に判断します。デコレーションケーキであれば、上に乗っている果物やチョコレートなどの好みが違い、ケーキ片の評価は本人にしか分かりません。

例えば、ケーキをPとQの2つに切り分けたとき、子供AはPが6、Qが4の価値だと思い、子供BはPが3でQが7だと思うかもしれません。このような場合、AがPを、BがQを受け取れば、それぞれが半分(5)以上の価値のケーキ片を受け取れるのでお互いに満足します。現実は、いつもこのように具合良く分けられるとは限りませんが、必ず2人が共に満足できるような分け方を考えるのです。 


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ケーキ片をどのように評価するかは、本人にしか分からない―ここがキーポイントで、次のような方法を用います。

Aがケーキを、PとQの2つに切り分けます。BはPとQのうちから、好みのケーキ片を選択します。子供Aは、Bが選択しなかった方を取ることになるので、漠然と切り分けてしまっては失敗します。どちらが残っても困らないように切り分けなければいけないのです。正確に言えば、Pの価値とQの価値がそれぞれ5であるように切り分ければ、BがどちらをとってもAは必ず5の価値のあるケーキ片を受け取れるので困ることはありません。AがBの目から見て不公平な、片よりのある分け方をしても、先にケーキ片を選択できるのでBに問題はありません。むしろ不公平な切り方の方が、Bには都合がよいくらいです。

実用的な公平分配の方法は、アメリカで特許になっています。簡単にその内容を説明します。遺産相続のように、財産を2人で分ける方法を考えてみましょう。


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いくつかの財産はそれぞれの価値を持っていますが、必ずしも金銭に換算した価値では測りきれないことがよくあります。不動産のように価値はあってもすぐに換金できないものの場合、むしろ額は低くても預貯金のほうが好ましいと考える人がいます。また記念になる遺品など、ある人には価値があっても関心の無い人にはほとんど価値がないものもあります。

分配の対象となる品物の価値の合計点を、仮に100点としましょう。遺産相続人AとBは各物品に自分なりの評価点を付けていき、合計点が100点になるようにします。例えば、土地が全財産の半分の価値があると判断すれば50点とします。

品物1つずつのAとBの評価点を比べて、より高い点を付けている人が(仮に)その品物を受け取ることにします。この作業は信頼できる調停者がいれば、互いの評価点を相手に知らせないで行うのが理想的です。すると、AとBが(仮に)受け取る品物に付けた点数の合計は、どちらも必ず50点以上になるのです。ここで、AとBが受け取る品物の評価点の合計を、例えば60点と75点としましょう。


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仮の分配が終わった後、Bが受け取っている品物をAに渡して各人の品物の合計得点が同じになるように調整をします。どの品物をAに渡すのが、合理的でしょうか?品物XはAが7点、Bは8点と評価し、品物YはAが5点、Bが10点と評価し、共により高得点を与えたBが受け取ることになっています。

Xを譲渡すると決めた場合、Aの評価額合計は60+7=67点、Bの評価額も75 8=67点で等しくなります。Yの場合、Aは60+5=65点、Bは75 10=65点で、これも評価額の合計点は同じになります。ただし、ともにAとBの合計点は等しくとも、点数そのものが67点と65点で異なります。このため、2人は受け取り評価額がより大きい67点での分配を受け入れるでしょう。

このことは言い換えると、Aの評価とBの評価の比率(Xは7/8、Yは5/10)がより大きな値(7/8)となるような品物(X)を譲渡するのが、2人にとって得策になるということです。そこでの比率は必ず1以下になり、仮の配分はより高い評価点の人に多く割り当てられているのです。


細かな手続きはともかく、この方法が優れているのは、前回の囚人のジレンマのように、参加者(プレイヤ)の利益を最大にした結果、自分達の首を絞めるようなことが起こらないことです。本当は高い価値だと考えている品物に、嘘をついて低い評価点を付けて得をしようとする戦略が考えられないことはありませんが、失敗するとその品物を獲得することすらできなくなるので賢明な選択とは思えません。正直に評価点を申告すれば最低でも50点分は受け取ることができるのですから、下手な画策で獲得点数が50点を下回るような事はしない方が身のためです。

もう一度、第1回目の内容を思い出してください。ゲーム理論は「定石(定跡)」です。利得を増やそうとジョウセキを外すときは、それなりのリスクを覚悟しなければならないのです。

香川大学大学院地域マネジメント研究科 教授 宍戸 栄徳



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